テレパシーの世界へ


東京タワー。この6月1日を持って、電波塔としての仕事は完全引退されました。これからは、純粋に見晴台として、そしてまた東京のシンボルとして、そこに立っていてくれればいいんんです。実は私も東京タワーと同じ昭和33年の生まれ。自分自身も「そこに立っているだけでいいんだよ」と言われる年齢であることを、強く感じる次第でございます。

電波というものは、本当に不思議な存在。目で見ることも触ることもできない。僕たちにはその存在を感じることすらできない。光というのもの一種だけど、光そのものは見ない。ものに反射して眼球に飛び込んでくる光の粒子が網膜に当たる。それを電気信号に変えて、僕たちの脳は世界を見ている。まあ、見ていることにしている。そんな感じらしい。

この電波の利用方法がこれからは劇的に変わると思います。どのあたりの周波数がどのような用途に使われるかは、国ごとエリアごとに決まってしまっているので、そう簡単には変わらない。でも、携帯電話が使っている電波や、WIFIで使っている電波を、違った端末で違った形で用いることは出来るのです。

5月に世界遺産への登録が確実となった富士山。その周りで「ウルトラトレイル・マウントフジ」という、26時間山岳マラソンがありました。そこで試しに使って見ることができたのがこのシステム。[ TVU ] というのですが、携帯電話の電波を使って、テレビカメラの中継を可能にしたものです。

携帯電話の回線を5本も使うというシステムなので、結構お金はかかります。でもでも、テレビ局がFPUマイクロ波を使って中継するのにくらべたら、ものすごく簡単で安価なシステムなのです。これを使って番組中継が出来るようになると、これからの映像配信や番組作りは大きく変わっていきます。

こんな風にして電波の使い方がどんどん賢くなる。そしてスマホのような端末がどんどん高性能化する。その先にあるものはなんだろう。それは「テレパシー」だろう。これまでのテレビや携帯電話の役割を引き継いで、おそらく「テレパシー」端末が巾をきかせる時代がそこまできているんだろうね。そう思いますよ。

あくまでこれは、私個人の妄想ではあります。で問題なのは、僕たちがその「テレパシー」端末を手にして、みんなで仲良く暮らせるのか、ということであります。

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